キャンプで熊に遭遇したらどうする?対処法と遭遇しない方法まで徹底解説

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キャンプで熊に遭遇したらどうする?対処法と遭遇しない方法まで徹底解説


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熊との遭遇は生死に関わる可能性もあり、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。楽しみに出かけたキャンプで熊に遭遇し、怪我や事故につながるのは絶対に避けたいですよね。そこで今回は、熊に遭遇した場合の正しい対処法、熊に遭遇しないための方法について解説します。熊よけスプレーの正しい使い方、揃えておきたい熊よけグッズや、熊の生態についてもご紹介していますのでぜひ参考にしていただき、安全で楽しいキャンプにお役立てください。


まずは熊の生態を知ろう

熊は、日本に生息する猛獣の中で最大の動物です。北海道に生息するヒグマはオスの体重が150kg~300kg、本州に生息するツキノワグマはオスの体重が70kg~150kgとかなりの巨体とパワーがあります。

被害数

熊について気をつけなければならないのは、人と遭遇した際に攻撃する可能性があることです。人が襲われる人身事故の数は年によりバラつきがありますが、少ない年は50件ほど、多い年は140件を超えることもあり、徐々に増えているとされています。2023年は10月の時点で人身被害が170件を越え、統計開始以来最多となっています。
ただし熊は基本的には臆病な性格で、普段は山奥に生息し、人間のことも避けようとします。肉眼で確認できる位置まで来たとしても、人間がいることが分かれば熊のほうから逃げていくケースも多くあります。近年出没件数が増加傾向にあるのは、人がほどよく手を入れて緩衝地帯となっていたいわゆる「里山」がなくなり、熊の生息圏が人里に近くなったことなどが挙げられます。

熊の生態

熊は日本の広い地域に分布していますが、九州では生息しておらず、四国では徳島県の剣山を中心とした限られた地域にのみ少数が生息しているとされています。熊は大型の動物にも関わらず、冬眠をする動物として知られています。日本の熊の分布における最南端の四国においても、熊は冬眠するとされています。

熊の身体的な特徴

嗅覚・聴覚が非常に優れており、特に嗅覚は、人間より優れていることはもちろん、犬の嗅覚と比べても約21倍の感度があると言われています。また、熊はその巨体にとてつもないパワーを秘めており、生態系の頂点に位置しています。人間が襲われると、大怪我を負う可能性が高い他、死亡するケースも稀とは言えません。更に、熊は巨体にも関わらず足が速く俊敏です。時速40kmで走れると言われており、平地はもちろん、山の中でも追いかけられたらまず逃げられないでしょう。熊と遭遇したら、以下にご紹介する方法で適切に対処することが大切です。


キャンプ中に熊の被害に遭わないための注意点


熊に遭遇したときの対処法を正しく知っておくのはもちろん大切ですが、まずは遭遇しないことが一番です。熊との人身事故は山林など熊の生息圏でほとんど発生しており、次いで街中や農地など人間の生活圏での件数が多くなっていますが、キャンプ場での人身事故は稀です。ただし、キャンプ場は熊の生息圏に近くなっているため、絶対に油断はしないようにしましょう。

食料の保管に気をつける

熊は基本的には木の実などを食べますが、動物の死骸や人間の食べ物も食べる雑食です。また嗅覚が非常に優れているため、キャンプ場では食材の保管に十分に気をつけましょう。具体的には、料理を作って食べ終わったら余ったものや匂いのついた食器をすぐに片付けることが大切です

危険な場所でキャンプをしない

熊が出没する可能性の高い場所へ近づかないことも、熊に遭遇しないために大切なことです。基本的には整備されたキャンプ場内で行動し、管理の行き届いていない山林には踏み込まないようにします。また、キャンプを計画する際には行こうと思っている地域の熊の出没情報をチェックしましょう。自治体が情報を出していれば、その場所は避けるほうが無難です。


熊に遭遇した時の対処法

熊も人間を避けようとするため遭遇することは滅多にありませんが、キャンプ中に熊に遭遇する可能性はゼロではありません。万が一遭遇したら、慌てず、落ち着いて行動します。実際に遭遇したら落ち着いて対処はできないのではないかと考えるかもしれませんが、熊の生態を知り、遭遇するかもしれないと考えておくだけでも冷静さは変わると言えます。

遠くで遭遇した場合:ゆっくりと静かに後退

かなり遠くに熊を発見して、熊がどうやらこちらに気づいていないようであれば、物音を立てずに立ち去りましょう。
50mほどの距離で遭遇した場合は、腕を大きく振るなどして熊にこちらの存在を知らせます。この距離だと追いかけられたら逃げられないため、熊のほうに逃げてもらいます。岩や倒木があれば、登って姿を大きく見せることも有効です。その後、熊から目を離さず、ゆっくりと後退します。じっと動かずにいるのもかえって敵だと認定される可能性があるため、ゆっくり後退することが大切です。

近くで遭遇した場合:大声を出さずにゆっくり後退

20m以内などの近い距離で遭遇した場合は、熊がパニックを起こさないよう、とにかく大声を出さないことが重要です走って逃げるものに対し追ってくる習性があるため、走ってもいけません。熊から目線をそらさず、ゆっくりと歩いて後退しましょう。山林であれば、熊が突進してこないよう、熊との間に木を挟むようにします。熊がこちらの姿を認識しつつ近づいてくる場合は、腕を大きく振るなどして姿を大きく見せ、大声は出さずに穏やかに声掛けをします。
滅多にないですが、それでも熊が接近をやめず、逃げ場所がなさそうであれば、威嚇に切り変えます。具体的には、できるだけ高い位置取りをして姿を大きく見せ、大声を出し、ものを使って大きな音を出します。そして、後にご紹介する熊よけスプレーがあれば噴射の準備をします。なければ、木の棒など武器になりそうなものを拾います。もしカメラを携行していて、フラッシュをすぐに発光できる状態であれば、フラッシュも熊に対する威嚇になる可能性があります。

突進された場合:熊スプレーを噴射する

近距離で遭遇し、万が一突進された場合は、熊よけスプレーを鼻先に噴射します。激臭により、熊を撃退する可能性が高まります。木の棒などの武器も、ないよりはあったほうが生存確率を高めます。
熊よけスプレーを持っていない場合は、防御態勢を取ります。具体的には両腕で頭を抱えるようにして頭部を守り、うつ伏せになって腹部を守ります。多くのケースではリュックを背負っているので、リュックがプロテクター代わりになります。強い力で転がされても、できるだけ同じ体勢に戻るようにします。
熊の突進には威嚇と攻撃の2パターンがあり、威嚇の場合は途中で止まって後退します。突進の多くは威嚇だとされています。とにかく焦って背中を向けることはせず、落ち着いて行動を見ることが大切です。


熊に遭遇しないために揃えておきたい熊対策グッズ


熊に遭遇しないため、あるいは遭遇した場合に撃退するためには以下のようなグッズを揃えておきましょう。

獣よけ線香

熊を始め、イノシシなど嗅覚が鋭い獣に対して効果のある線香です。通常の線香に獣が嫌うトウガラシの成分を含めており、蚊などの虫よけと同じ感覚で使うことで熊との遭遇を避ける効果が期待できます。通常の線香よりも煙が多く出るので、キャンプではテントから少し離れたところで焚くのがおすすめです

熊鈴

遠くまで響く高い音が出る鈴です。熊などの獣に人間の存在を知らせ、逃げてもらうことで遭遇を避けるアイテムです。アウトドアショップで販売されており、普段は鳴らないようにストッパーをつけられるタイプもあります。なお熊鈴も絶対に熊よけになるわけではないため、山林に入る際は常に周りへの警戒を怠らないようにしましょう。人間の存在を知らせる方法としては、他にも複数人での談笑、ラジオ、音楽プレーヤー、声出しなどが挙げられます。どれも絶対の対策ではありませんが、特に人の声は効果があるとする意見もあります。
なお、熊鈴やラジオは一定の効果が見込める一方で、人間側も周囲の音が聞きづらくなります。また、見通しの悪い山林の中や薄暗い時間帯、沢沿いの水の音、雨の音でも周囲の状況把握が難しくなり、熊・人間がお互いに存在を感知しづらくなります。音を出す際は、周りの音にもよく注意するようにしましょう。

熊よけスプレー

万が一熊に遭遇し襲われた際に、噴射して撃退するためのスプレーです。スプレーには濃縮されたトウガラシのエキスが入っており、激臭と皮膚・粘膜への強い刺激により熊を撃退できる可能性が高まります。噴射距離は製品によっても変わりますが、およそ5m~10m程度です確実に頭部に当てたほうが撃退の確率が高まるため、冷静に状況を見ることができれば、5m以内まで近づけてから噴射しましょう。
なお、熊よけスプレーは人間にとっても害があります。皮膚がただれたり、場合によっては失明する危険性もあるため、人に向かっての噴射は絶対にやめましょう


熊と人間の共存は難しい?熊の捕獲・殺処分について

山の中にいる熊に関しては人間側が気をつけることである程度距離を取ることができても、近年は人里に下り、街中で熊が発見されることも増えてきたと言われています。街中で熊が発見された際は、人々に被害が及ばないように殺処分されるケースがあります。中には殺処分ではなく麻酔銃で眠らせて山へ返せないのかとする意見もありますが、熊との付き合い方において現実的ではないと多くの自治体や関連団体は考えています。
全国でも熊の目撃件数が多い秋田市においては、「捕獲した熊を殺処分するのではなく麻酔銃などを使って山へ返すべきではないのか」という意見に対し、市民の安全を守るためには熊を適度に駆除し、個体数を適切に管理することは必要な措置であると回答しています。秋田市では、捕獲した熊を山へ返すと種の保存には有効である一方、個体数が増え、エサが不足し、再び人里に下りてくるという悪循環が生まれると考えています。
北海道率総合研究機構では、人を襲った熊を捕獲した後は殺処分することに関し、人身被害をもたらした熊をそのままにしておくことは社会に不安をもたらし容認されるものではないとする見解を公式Webサイトに掲載しています。また、北海道のヒグマを仮に根絶することは物理的にも社会的にも困難なため、人身被害のリスクを減らしつつ、事が起きた場合には殺処分などの対処を行い、折り合いをつけながら共存していくことが重要だとしています。


熊対策した上でキャンプを楽しもう

自然の近くにあるキャンプ場は熊と遭遇する危険性と隣合わせですが、しっかり対策しておけば被害を受ける可能性をグッと下げることができます。熊の生態や、万が一遭遇した場合の対処法についてきちんと把握した上で、自然の中で過ごすキャンプを楽しみましょう。

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