バンコンでも可能?キャンピングカーに設置したいエアコンについて

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バンコンでも可能?キャンピングカーに設置したいエアコンについて


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バンコンでも可能?キャンピングカーに設置したいエアコンについて
キャンピングカーの購入を検討している方の中には、キャンピングカーにはエアコンをつけたほうがいいのか、そもそもつけることは可能なのか気になっている方も多いのではないでしょうか?特に、車体がそこまで大きくないバンコンだとエアコンをつけるかどうかは悩ましいポイントです。今回は、キャンピングカーのエアコン事情について詳しくご紹介します。


キャンピングカーのエアコン事情

キャンピングカーのエアコン事情
キャンピングカーは「動く家」と言われることもある通り、車に乗りながらまるで家にいるかのような快適さを実現できる点が魅力ですが、エアコンに関しては取り付けが難しいとされています。キャブコンなど大型のキャンピングカーには標準でエアコンを設置しているモデルも一部ありますが、そもそもキャンピングカーにエアコンを取り付けられるようになったのもわりと最近のことです

キャンピングカーも車である以上、車載エアコンは搭載していますが、このエアコンは一般車と同様にエンジンが駆動していなければ機能しません。夜にエンジンをかけたままにするのは騒音などの観点から避けるべきで、また、車内スペースの広いキャンピングカーだと車載エアコンでは十分に冷気を回せないこともあります。

キャンピングカーの家具や設備の中でも、キッチン機能を持つギャレーやベッドは基本的な設備となるため専用の設計がなされていますが、エアコンでは難しいため家庭用エアコンを設置することになります。しかし、家だと気にならなくてもスペースの限られているキャンピングカー内だと家庭用エアコンの室内機は大きく、場所を取ってしまいます。室外機に関しても、多くは車体下部に取り付けることになりますが、スペースの確保は難しいと言えます。また、家庭用エアコンは揺れを前提に作られていないので、定期的なメンテナンスも必要です

それでも、特に夏のレジャーへ行く際にはエンジン停止中でも車内を涼しく保てるエアコンは恩恵が大きく、各ビルダーが工夫を凝らしてエアコンを設置しています。

なお、家庭用エアコンの電源は100Vの電圧を必要としますが、キャンピングカー内で家電製品を使うためのサブバッテリーは12Vか24Vです。そのため、電圧を変換するためのインバーターを別途設置し、エアコンの消費電力をまかなうためにサブバッテリーも多めに積むのが一般的となっています

バンコンにもエアコンは設置できる?

日本では、キャブコンほど大きくはないものの、商用バンをベースに工夫を凝らした「バンコン」が特に人気です。では、バンコンにエアコンを設置することは可能でしょうか?

結論から言えば可能で、標準でエアコンを設置しているバンコンのモデルもあります。ただし、そういったモデルはバンコンの中でも高級モデルであることが多く、オプションで付ける際にもそれなりの費用がかかります。

バンコンでエアコンを設置する際には、どれくらいの時間使用できるかも考える必要があります。エアコンの消費電力は決して低くはないため、冷蔵庫や電子レンジなどその他の電化製品も使用しつつエアコンも点けるとなると、サブバッテリーがすぐに切れてしまうことも考えられるためです。これを補うためには、サブバッテリーを多めに積むか、発電機を使用するか、ソーラーパネルを設置するかの3つの方法があります。

また、日本だとまだ場所が限られていますが、RVパークやオートキャンプ場の多くは外部電源を使用できます。外部電源とキャンピングカーとつなぐことができればサブバッテリーを充電できるので、エアコンを始めとした家電を使い続けることが可能です。


キャンピングカーにエアコンを設置する3つのメリット

キャンピングカーにエアコンを設置する3つのメリット

簡単ではないキャンピングカーへのエアコン設置ですが、設置すれば以下のようなメリットを得られます。

夏のレジャーが快適になる

エアコンを設置することによる最大のメリットが、エンジン停止中でも車内を涼しく保てる点です。車載エアコンでもある程度涼しくすることはできますが、キャンピングカーにおいてはパワー不足であることが多く、またエンジン停止中はどんどん室温が上がっていくため暑さとの戦いになってしまいます。

エアコンがあれば「車内に戻れば涼しい」という状態を維持できるため、夏のレジャーがぐっと快適になります。夏は熱帯夜になると夜も暑いため、やはりエアコンが使えると重宝します。

ペットに優しい

ペットをキャンピングカーに乗せて一緒に旅行に行きたいという方にとっても、エアコンは強い味方となります。レストランやお土産屋さんなどに入るときはペットを連れて行けないため、外のどこかにリードでつないでおく必要がありますが、エアコンがあれば涼しい車内で待っていてもらうことができます
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行動範囲が広がる

エアコンがあり、車内で涼しく快適に過ごせると思うと、自然と行動範囲が広がります。キャンピングカーはただの移動手段ではなく、アウトドアをより快適に楽しむための車です。ちょっとした面倒臭さでだんだんと使う回数が減っていくと、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。夏のレジャーが好きで、キャンピングカーの購入を考えている場合は、エアコンは自身の行動範囲を広げる魅力的な選択肢となります。

旅の季節を選ばなくなる

キャンピングカーにおけるエアコンは必須装備ではありませんが、実際のキャンピングカーオーナーの声として、「エアコンがないと旅に行く季節や場所が限られてくる」という声はよく聞かれます
暑い季節はもちろん、秋に入っても場所によっては残暑で夜寝苦しいこともあり、「エアコンがあれば」という後悔につながる可能性があります。一方で2台目のキャンピングカーにエアコンを設置して「行動範囲が広がり旅の季節を選ばなくなった」という声も多くあり、キャンピングカー旅を存分に楽しみたいという方にはエアコンはおすすめの装備となります。


キャンピングカーに設置できるエアコンの種類

キャンピングカーに設置できるエアコンには、以下にご紹介するようにいくつかの種類があります。

家庭用エアコン

多くのキャンピングカーで採用されているのが、一般的な家庭で使用されている家庭用エアコンです。現在は以下のようにさまざまなタイプのエアコンが選ばれるようになっていますが、当初はキャンピングカーに適したエアコンがなく、家庭用のエアコンをそのまま搭載したモデルが多くあります。
家庭用エアコンは100VのAC電源を使用するため、キャンピングカーで使用する際にはサブバッテリーの12VのDC電源から変換するためのインバーターが必要となります

ルーフエアコン

キャンピングカー車内の屋根部分に取り付けるタイプのエアコンです。家庭用エアコンと比べて車内のスペースを消費しない点がメリットであり、ルーフエアコンは室内機と室外機が一体型の為、室外機をルーフに乗せることで車内を広く使うことができます。
多くのルーフエアコンは、家庭用エアコンと同じようにインバーターを介して電源を供給します。ルーフエアコンの中にはルーフウィンドウと一体になっているタイプもあり、その場合は天井から採光できるというメリットがあります。

ポータブルエアコン

特定の場所に設置する必要がなく、持ち運びができるポータブルエアコンもキャンピングカーでは活躍します
キャンピングカー内は家に比べると狭いため、ルームエアコンなどに比べると出力の低いポータブルエアコンでも十分な効果が得られるでしょう。ポータブルエアコンは製品によっては十分な冷却機能を持つものも多くあり、加湿・除湿機能を備えたものもあります。一方で、天井付近に付ければ良い家庭用エアコンと違ってテーブルなどに置く必要があるため、置き場所は工夫する必要があります。

キャンピングカー専用エアコン(DC電源エアコン)

近年登場して注目を集めているのが、キャンピングカー専用に設計されたエアコンです。キャンピングカーでは一般的なのが家庭用エアコンですが、家庭用のため室内機も室外機も大きく、設置場所を工夫する必要があるというデメリットがありました。また、走行時の衝撃が考慮されていないため、耐久性においても不安があります。
また、エアコンは基本的に100VのAC電源を使用しますが、中には12VのDC電源から供給して使用できるタイプのエアコンもあります。
DC電源で動くエアコンであれば、インバーターを使わずにサブバッテリーから直接給電できるため、キャンピングカーにおける使い勝手が向上します
キャンピングカー専用に設計されたエアコンであれば、室内機・室外機ともにサイズが小さく場所を取らない他、衝撃にもある程度の対策がなされています。さらに、インバーターを介さないことから電力の損失も少なく済み、サブバッテリーの容量を効率良く使用できるメリットもあります


キャンピングカーのエアコン設置の難しいポイント

大きな恩恵を与えてくれるキャンピングカーのエアコンですが、注意しなければならない点もいくつかあります。

電力を常に気にする必要がある

上記にもご紹介した通り、電気周りの装備内容によっては「いつでも気兼ねなく」エアコンを回せるわけではありません。そのため、走行中は車載エアコンでまかないつつサブバッテリーを充電して停車中だけ使うなど、電力を気にしながら使う必要があります。

重心が高くなる

エアコンは車内の上部に設置しなければならないため、その分どうしても重心が高くなります。車は重心が高いと横風やカーブ時の遠心力に弱くなるため、運転にはより一層気をつける必要があります。車高が高く重心も高くなりやすいキャブコンはもちろん、重心の高さは比較的気にしなくていいバンコンでもある程度の注意が必要です。

費用が高い

同じ家庭用エアコンでも、家に設置するのと車に設置するのとでは勝手が違うため、オプションで設置するには数10万~100万円とそれなりの費用がかかります。主に冬のレジャーにキャンピングカーを使うなど、エアコンの使用頻度がそれほど高くないような使い方をするなら、わざわざエアコンはつけないほうがいいかもしれません。


近年変わってきたエアコン事情

家庭用エアコンを設置するしかなかったキャンピングカーのエアコン事情ですが、2019年9月、さまざまな「冷やす」ための設備を開発している「オズ・エンジニアリング」から、「キャンピングカー用直流インバータ・クーラー」が発売されました。

キャンピングカー用に設計されたこのエアコンは室内機も室外機もサイズが小さく、大きな課題であった省スペースを実現しています。また、車体が揺れるキャンピングカーに合わせて配管は一般的な銅製からゴム製となり、耐久性が強化されています。電源については、インバーターを介さずにサブバッテリーの12Vからつなぐことが可能です。

このようなキャンピングカー用のエアコンの開発がどんどん加速すれば、高い費用を出して家庭用エアコンを設置する必要はなくなり、夏の涼しさがもっと手軽なものになるかもしれません。

また、キャンピングカー内で使えるリチウムイオンバッテリーもだんだんと増加してきています。リチウムイオンバッテリーは従来のサブバッテリーと比べて充電密度が高く、充電効率も良いことから、小型化しつつ長時間の電化製品使用が可能となります。エアコンは設置しても電力を気にする必要がありましたが、リチウムイオンバッテリーを設置できれば電化製品の使用時間を大きく伸ばすことが可能です
エアコンの未来を変えるかもしれない技術としては、ジャパンキャンピングカーショー2022年に参考出展された「きゅうでんしゃ」があります。
「きゅうでんしゃ」はエンジン停車中でも電力のみでカーエアコンを作動させる技術で、実現すればキャンピングカー停車中に家庭用エアコンなどを使う必要がなくなり、スペースの削減や消費電気量の節約が可能になるかもしれません。

電源システムの進化によるエアコン事情の変化

2023年5月現在、キャンピングカーにおけるエアコン搭載事情は着実に進化し続けていると言えます。

かつてエアコンはキャブコン以上の大型キャンピングカーに搭載するものとされていましたが、近年は上記にてご紹介したキャンピングカー専用のエアコンの開発例が増え、より小型のバンコンでもエアコンを搭載する例が増加しています。車全体のバッテリーシステムの改善に取り組むキャンピングカービルダーも多く、バンコンのサイズでは難しいとされていたエアコンの連続稼働10時間を達成したモデルもあります
ペットとのキャンピングカー旅を楽しみたいという需要も増えているため、エアコンの使えるキャンピングカーの選択肢が増えることはユーザーにとって嬉しい進化だと言えそうです。

なお、バッテリーシステムへのユーザーの関心は高く、急速充電に対応したシステムや外部電源を直接引き込めるコンセントの搭載など、バッテリーに関するさまざまな提案が登場しています。

エンジン停止中にカーエアコンが使えるシステム

上記にてご紹介した「きゅうでんしゃ」の進化版として、東京キャンピングカーショー2022に参考出展されていた「parkooler(パークーラー)」があります。

parkoolerはハイブリッド車の技術を応用したエアコンのシステムで、「きゅうでんしゃ」同様、エンジン停止中にもカークーラーを利用できるように開発中のものです。
自動車は通常、エンジン停止中にはコンプレッサーが作動できずにエアコンが使用できませんが、運転中にも適宜エンジンを停止させるハイブリッド車では独自のコンプレッサーを搭載してエアコンを稼働させています。この技術を応用し、エンジン停止中にも稼働できるコンプレッサーを搭載することでエアコンを使用可能にしたのがparkoolerです。

parkoolerではカーエアコンを使用するため、エアコンとしての耐久性は十分で、車内の省スペースにもなります。
車内の真ん中あたりに設置するエアコンに比べると冷房性能は劣るかもしれませんが、キャンピングカーには断熱加工がなされているモデルも多く、カーエアコンで十分な冷房効果が得られる場合が多いでしょう。

parkoolerは実用化すれば、既存の自動車にも搭載可能だとされており、キャンピングカー選びの選択肢が大きく広がる可能性を秘めていると言えそうです。


エアコン以外の暑さ対策

暑い夏でもキャンピングカー内で快適に過ごせるようにするエアコンですが、それ以外の暑さ対策にも目を向けてみましょう。時期によっては以下の対策だけでも十分であり、エアコンの消費電気量を減らすことにもつながります

断熱性能の高いキャンピングカーを選ぶ

キャンピングカー選びの段階の話ですが、ボディの断熱性能が高いキャンピングカーを選ぶことで暑さ対策になり、冬の寒さ対策にもなります。キャンピングカーは既存の自動車をベースに作るのが基本ですが、外装を工夫して断熱性能を高め、過ごしやすさを高めたモデルもあります。

例えば、フジカーズ・ジャパンが手掛けるキャンピングカー「FOCS」シリーズは寒暖差の激しい北海道で夏も冬も快適に使えるような断熱仕様となっています。

扇風機を使う

家で暑いときに扇風機を使うように、キャンピングカー内でも同じことができます

ただし、ただでさえ限られているキャンピングカーのスペースに扇風機を置くことは難しいため、小型のタイプを探す、壁掛けができるようなら壁掛けにするなどの工夫が必要となります。比較的スペースを取らないサーキュレーターであれば、車内の空気を循環させエアコンの効きを上げることができます

夏のキャンプグッズを使う

キャンピングカー以上に暑さとの戦いが厳しいテント泊のキャンプでは、暑さを和らげるためのさまざまなキャンプグッズがあります

例えば、Tシャツやタオル、ハンカチなどは冷感素材で作られたタイプがあり、体感温度を下げられます。飲み物を冷やしておくために使ったクーラーボックスがあれば、夜にフタを開けておくことで簡易的なクーラーになるでしょう。


自身のキャンピングカースタイルをよく考えて選ぼう

キャンピングカーのエアコン事情は着実に進化してきていますが、手軽にチョイスできるオプションというわけではありません。とはいえ、夏のレジャーに出かける際には快適な車内空間を作ってくれるため、自身のキャンピングカースタイルをよく吟味した上で導入するかどうかを決めることが大切です。

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